リレーエッセイ
−もくじ−
2014/08/24
やまぐち子育て連盟発足
やまぐち子育て連盟キャプテン 村岡嗣政

2014/03/17
みんなで子育て
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 藤井 尚美

2013/12/09
おかげさまで10周年
やまぐち子育て県民運動推進会議 会長 今井佐知子

2013/12/09
楽しい居場所
やまぐち子育て県民運動萩地域コーディネーター 金子真弓

2013/03/05
子どもを守ってくれるもの
                                                      やまぐち子育て県民運動山口地域コーディネーター 杉山 美羽

2012/11/20
大きく広げよう!子育て輪づくりin柳井南中
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 三戸 純子

2012/08/30
歩 み
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 松田 洋子

2012/03/08
御縁を大切に
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 林 秀子

2011/11/01
「育マン」登場で、輝け!「育ママ」「育メン」
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 横山 勇美

2011/08/01
実家
下関地域コーディネーター 金子 睦美

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歩 み
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 松田 洋子
                                  
 かれこれ20年ほど前のこと、我が家の前の道路は小学生たちの通学路でした。実はその通学路の風景の中に今の私の活動の原点があります。
 ある朝の通学時間帯、ゆっくりゆっくり歩く兄妹の姿がありました。低学年の妹と歩く兄は肢体がやや不自由な様子。二人は楽しそうに歩いています。我が家を過ぎると交通量の多い幹線道路を横断しなければなりません。声を掛けて一緒に道路を渡ろうか、と歩き始めた私の目に留まったのは兄妹の20メートルほど後ろを歩く男性です。どうやら父親のようです。近づきもせず離れもせず、兄妹の速度に合わせて歩いています。
 交差点の近くの文具店の店主が二人に声を掛けます。「Yちゃん、Kくん、おはよう。」「おはようございます。」「うん。」それぞれに返事をしてまた歩き始めます。父親も目礼をして通り過ぎます。
「子育てとは」とか、「地域と繋がる」とか、「生き方を選ぶ」とかを考えるようになったきっかけとなった風景です。
 いつでも駆け寄ることのできる距離を保って歩く父親、時折振り向いては父親の姿を確認して安堵する妹、自分のペースで惑うことなく歩く兄
 子どもたちは、関わる大人たちや周囲の仲間たちから社会性や価値観を学び、より多くの経験、より多くの人間関係の中で自尊心を育てていくのだと思います。子どもたちの世界を広げるために今、地域の大人である私たちにできることは何でしょう。心から声援を送る。温かく見守る。アイデアやノウハウ、場所やツールを提供する。あなたは一人じゃないよ、いつでもここに私たちがいるよと発信する。そして、人と人、活動と活動を繋ぐ。
 行政と企業との協働の中で、地域だけでは実現できなかったかもしれないことを発展させたり、大きな事業の展開には至らないけれども、地域コーディネーターが地域の子育て支援のグループと連携の輪を作ろうとしていたり、その動きは規模も速度も様々だけれども、それぞれの地域で地域コーディネーターが動き始めています。
 ゆっくり行く者は前を行く者の良いところを吸収しようとし、活動が軌道に乗った者たちは「さあ、ついておいで」と情報を提供しつつ更に活動の場を広げていくでしょう。
 あゆみの速度には差があります。これは私にとっては頼もしい限りです。様々な速度の子育て支援がリンクしてリレーすることで、より多くの人たちが関わりを持てることになるのではと期待するからです。
 すべての子どもたちが、前述のYちゃんのように安心して、Kくんのように自分のペースで歩いて行ける社会を構築するために、できることを、できる時期に、できる所で活動していきたいものです。




やまぐち子育て連盟 http://yamaguchi-kosodate.net
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