−もくじ− 2011/05/11子育てはいつもヒステリー?いやいやミステリー! やまぐち子育て県民運動推進会議委員 木村 美弥子(周南市こども育成支援対策審議会委員) 2010/12/10 少年は必要とされて大人になる やまぐち子育て県民運動推進会議委員 西山 香代子(やまぐちネットワークエコー代表) 2010/09/01 子育て研修会で学んだこと やまぐち子育て県民運動推進会議委員 中邑 隆哉(岩国中央幼稚園 園長) 2010/03/25 先輩として、仲間として やまぐち子育て県民運動推進会議 委員 吉光智惠(柳井地域コーディネーター) 2009/11/30 “つながる”出会い やまぐち子育て県民運動推進会議委員 於土井 豊昭(防府市地域協働支援センター長) 2009/08/12 子ども劇場に関わって やまぐち子育て県民運動推進会議委員 三好 美喜子(NPO法人子ども劇場山口県センター理事長) 2009/03/04 「渡る世間は親ばかり」を目指して やまぐち子育て県民運動推進会議委員 中川 浩一(勝山保育園副園長) 2008/11/01 “つながる”出会い やまぐち子育て県民運動推進会議 副会長 國廣 真由美 2008/08/29 〜「県民」と「社会」を繋ぐ運動体へ〜 やまぐち子育て県民運動推進会議 会長 今井 佐知子 2007/07/19 秘密基地 藤永 麻子 | 「渡る世間は親ばかり」を目指して やまぐち子育て県民運動推進会議委員 中川 浩一(勝山保育園副園長) 人気テレビ番組『渡る世間は鬼ばかり』を見るたびに、今の日本に「世間」という言葉は息づいているのかなあと思っています。 ある本を読んで「傘かしげ」と呼ばれていた行為が江戸時代にあったことを知りました。とても素敵な言葉だなと思いました。当時、世界一の大都市で世界一の人口密度を誇っていた江戸の街は、狭い路地に長屋の軒が連なっていました。雨の日に番傘をさして歩けば、当然すれ違う人の体に傘から流れ落ちた雨水が当たります。それを避けるためにすれ違う瞬間、お互いに自分側に傘をさっと傾けました。これを称して「傘かしげ」と呼んだのです。自分以外の相手を気遣い行動する。こんな当たり前のことが現代社会ではなかなかできにくくなったように感じます。 私は少子高齢化、核家族化によってもたらされた現代社会の問題のひとつに「世間の崩壊」があると思っています。「地域」ではなく、あえて「世間」としたのは、「地域」と「世間」の言葉のもつ意味やイメージに違いがあると思うからです。「地域」という言葉からは、町内・自治体など、限定された「場のイメージ」が強いのに対して、「世間」という言葉は、「世間体」「世間が狭い」「世間に申し訳ない」など、昔から多くの慣用句にみられるように、ただ単に「場のイメージ」だけではなく、そこに漂う「空気」、その地域に住む人の「つながり」や培われてきた「風土・文化」まで含まれているように思います。 実は子育ては、昔からこの「世間」の中でやさしく営まれてきました。ところが、前述の急速な少子化・核家族化により、祖父母はもとより、近所のおじちゃんやおばちゃんといったいわゆる「社会的親」が子育て家庭からそぎ取られ、地域にただよう人と人を繋ぎ止める空気までが次第に薄くなってその結果、若い親は孤立化し、ストレスや不安を抱え育児ノイローゼや虐待などの最悪のケースとして表面化しているのです。 私は、今年度から「やまぐち子育て県民運動推進会議」の委員になりました。まだまだどういうことでお役に立てるか分かっていませんが、皆さんと一緒に「世間」に子育て文化を創造し再生していけるよう力を尽くそうと思っています。 ひとりの子どもが大人へと成長するまでに、どれだけの人が関わったか、その関わる人が多ければ多いほど、子どもにとっては幸せな社会、地域となると信じています。そんな「渡る世間は親ばかり」と言われるような県民運動になったら嬉しいですね。 |