リレーエッセイ
−もくじ−
2011/05/11
子育てはいつもヒステリー?いやいやミステリー!
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 木村 美弥子(周南市こども育成支援対策審議会委員)

2010/12/10
少年は必要とされて大人になる
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 西山 香代子(やまぐちネットワークエコー代表)

2010/09/01
子育て研修会で学んだこと
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 中邑 隆哉(岩国中央幼稚園 園長)

2010/03/25
先輩として、仲間として
やまぐち子育て県民運動推進会議 委員 吉光智惠(柳井地域コーディネーター)

2009/11/30
“つながる”出会い
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 於土井 豊昭(防府市地域協働支援センター長)

2009/08/12
子ども劇場に関わって
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 三好 美喜子(NPO法人子ども劇場山口県センター理事長)

2009/03/04
「渡る世間は親ばかり」を目指して
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 中川 浩一(勝山保育園副園長)

2008/11/01
“つながる”出会い
やまぐち子育て県民運動推進会議 副会長 國廣 真由美

2008/08/29
〜「県民」と「社会」を繋ぐ運動体へ〜
やまぐち子育て県民運動推進会議 会長 今井 佐知子

2007/07/19
秘密基地
藤永 麻子

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“つながる”出会い
やまぐち子育て県民運動推進会議委員 於土井 豊昭(防府市地域協働支援センター長)
 7月21日の中国九州北部豪雨により、山口県内各地で土砂災害等が発生し、私が住んでいる防府市では土石流や山の崩落などにより、大きな被害を受けました。この災害による復興にはたくさんの方の助けが必要となり、「防府市・佐波川流域災害ボランティアセンター」が設置されました。防府市内はもとより県内各地から、多くのボランティアの方が、土砂撤去などの作業に駆けつけて下さいました。私は、この災害ボランティアセンターの運営スタッフとして関わり、被災現場のニーズ等をボランティアに伝えたり、ボランティアを現場まで送迎する活動を行いました。ボランティアへの説明では、現場作業だけではなくチームでの活動、メンバーの様子・体調にも注意しながら活動することが重要であることを伝えました。災害現場では土砂撤去などの作業に目を奪われがちですが、急造チームだからこそメンバーに注意を払って活動することが重要であり、メンバー同士でお互いを気遣っていることがわかると信頼関係が生まれ、グループとしての機能が高まり、活動全体に満足した印象を持つことが出来、笑顔でセンターへ帰って来られました。人が本来持っている相手を思いやる心を被災現場からだけではなく、急造チームのメンバーの姿勢や行動の中からも感じ取ることが出来たからです。夏の炎天下での活動は厳しいものがありましたが、中学生や高校生も災害ボランティアとして参加し、笑顔で頑張ってくれました。友達同士や学校・部活動など、様々な形態での参加でしたが、一生懸命取り組んでくれました。災害が起こってはいけませんが、今回の活動を通じて相手を思いやる心を感じ取ってくれたものと思っています。
 
 しかし気になる点がいくつかありました。今の生徒・学生全般に言えることですが、団体行動の基礎や事態を予測するということが出来ていないということです。急造でチームを作り、活動を行う訳ですが、最初の人数確認の時点から、整列や把握に時間が掛かる、説明をしても行動に移せないなど、集団行動の訓練が出来ていないことを感じました。私はPTAの役員を経験し、学校での子ども達の様子を見ていますので実態は知っていますが、改めて団体行動の訓練や経験の必要性を感じました。

 今回の活動では、集団行動に多少の時間が掛かっても大きな問題は生じませんが、今後、子ども達が遭遇するであろう大規模災害(東海・東南海・南海地震)を始め、多くの事態で集団での行動が重要になってきます。迫り来る災害に対して速やかに避難する、集団で行動を起こす。この時に訓練が出来ているか、素早い行動を取れるかが、生死を分けることになるかも知れません。子ども達に集団行動、活動の基礎をしっかり教え、訓練しておくことが必要です。学校での集団行動や活動の機会は少なくなっており、これを補完するためにも地域の中で、子ども達に集団行動や活動などの体験や経験を積ませておくことが必要です。異年齢集団での活動の中から年少者や弱者に配慮した行動が必要であることに気付き、相手を思いやる心が育まれます。私たち大人には、子ども達が地域で様々な体験や経験する場を積極的に創り出して行くことが求められています。




やまぐち子育て連盟 http://yamaguchi-kosodate.net
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