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![]() 第7回きらめき子育て賞 体験記部門 入賞作品10編 1. 親子の成長 影土井 洋治 金生 剛昌 紀村 修一 4. 障がい児の子育て 鴻野 享子 5. 「娘達の親育て」 笹川 めぐみ 6. ありがとう 清木 香奈枝 東山 敏忠 8. 恐怖のおむつ替え 中原 雄 9. 「愛情300%」 古屋 陽子 10. 仕事も好きだし、家庭も大事 横山 勝子 ※掲載は作者名五十音順
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僕と妻と双子のきらめきDays
平成二十三年二月九日、二人の天使が我が家に舞い降りた。予定日より約二ヶ月早く、約一.七?のミニサイズの女の子が、二人生まれたのだ。ミニサイズのため、感動の対面は、全て保育器越しとなり、その可愛い笑顔を眺めて、小さい手足を触っては、父親の実感に浸っていた。
温室の様な病院生活に慣れた双子は、四月から、妻の実家で生活したが、交互に夜泣きを繰り返し、妻や妻の母の睡眠時間は、一時間を切る日が続いた。この先どうなることかと少し不安になった。 五月に入り、妻と双子が、我が家に帰ってきて、家族四人の生活が始まった。帰る前日に、私は、普段やりつけない掃除や炊事を時間をかけて行い、ウェルカムモード全開となった。特に、浴室磨きに気合いが入り、風呂入れの予行演習も繰り返した。 一緒に生活し始めて、おむつ替え、授乳や抱っ子等は全て二人分が必要となり、不慣れな私にとって、想像以上に時間がかかった。泣いている長女をあやし、泣き止んだら、次女が泣き出すという繰り返しには、正直面喰らった。上手に子守りできない私は、情けなくなり、同時に、妻の偉大さにも気づいた。 イクメンと言われる昨今、流行や格好良さではなくて、我が家は、一人の子守りを一人の親が、余儀なく担当することになった。長女がお母さんっ子、次女がお父さんっ子になってきたが、抱っ子の回数、ビデオや写真の撮影枚数に片寄りがないか、頭で数えてチェックするバカパパとなっていた。 同性の双子は、特に仲が良いと言われているが、まさにそのとおりである。生まれて半年の間、私が私がと自己主張のため、よく泣いていた双子も、少しずつ抱っ子の順番を相手に譲り始めた。二人で顔を見合わせては笑ったり、赤ちゃん言葉で会話していたりと、姉妹になってきた。協力して悪戯したり、風邪が順番に伝染することも、仲良しの証しかもしれない。 一歳四カ月が経過した現在、双子の仲良し度も増し、笑顔もおしゃべりも回数が増えて賑やかな一家となってきた。生まれた時からよく子守りに協力してくれた妻の母や姉も、双子の成長に目を細めていた。双子の成長への喜びは、二倍というよりも、二十倍、二百倍かもしれない。 幅の広い双子サイズのベビーカーで外出した際、スーパーの狭い出入り口や、エレベーターのない駅の階段に苦慮したが、優しい店員や駅員達に助けられたこともあった。通り過がりのお年寄りや小学生に、可愛がってもらったこともあった。 家族四人で川の字で寝ている時、気付いたら、両親にぴったりと寄り添う双子を見て、明日も頑張るかと妻と話す私がいた。 |