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きらめき子育て賞
太陽
第7回きらめき子育て賞
体験記部門
入賞作品10編

影土井 洋治

金生 剛昌

紀村 修一

鴻野 享子

笹川 めぐみ

清木 香奈枝

東山 敏忠

中原 雄

古屋 陽子

横山 勝子

※掲載は作者名五十音順
第7回きらめき子育て賞の詳細については、以下もご覧ください。
 3つの肩書きをもち、今思うこと
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 平成二十二年九月十三日、私は「夫」に加え「父」という肩書きを手にした。出産に立ち会い、私の手をこれ以上ない程の強さで握りしめた妻に、心の底から感謝した。
 自分の娘は、もう言葉では言い表せないくらいかわいく愛おしい。そんなことは分かっていた。しかし、かわいいだけでは子育てはやっていけないことを少し実感してきた。
 一番大きな変化は、生活の中心がすべて娘になったことだ。仕事から帰ってまず、一緒にお風呂に入った。目の周りを優しく拭いて、次に顔全体。お腹を優しく洗って、上手にひっくり返すのが腕の見せ所。背中、おしりもきちんと洗い、最後は髪の毛。このとき、娘が気持ちよさそうにすやすやと眠ってくれたら、自分を褒めた。晩ご飯を食べ、妻とアルバムを見ながら娘の成長に驚き、互いに認め、励まし合い布団に入る。すると、予定より五時間早い目覚ましアラーム。妻と交代で娘を抱え、時には真夜中のドライブもした。十分な睡眠がとれないまま、娘にキスをし、もう一つの肩書き「教師」として学校へ向かう。子どもたちと学び、遊び、くたくたになって帰宅すると、くたっくたになった妻と相変わらず愛おしい娘が出迎えてくれる。なんと慌ただしく、しかし幸せな二十四時間だろう。
 娘が産まれ、私自身に二つの気持ちの変化があった。一つ目は、教師という職の責任の重さについてだ。私の学級には三十名の子どもが在籍している。どの子も素直でやんちゃで本当にかわいい。その子一人ひとりにも親がいて、私が娘に注ぐ愛情と同じくらいの愛情が注がれて、こんなに大きくなったのだ。そう思うと、学級の子どもたちをますます好きになった。世間でよく耳にする「モンスターペアレント」という言葉も、我が子への無限の愛情と学校へ対する大きな期待から生じたのかもしれない。教師として、これまで以上に保護者と密接にかかわり合い、子どもの成長を見守っていきたいと感じた。二つ目は、妻の存在についてだ。娘が産まれ、これまで妻に向けていた愛情が、正直娘に移っていった。妻はよく冗談で、「とられたー。」と言っていたが、本当は寂しかったのかもしれない。娘と妻がいて「家族」だ。これからは、「娘に五十%、妻に五十%の愛情を」と言いたいが、少し欲張って「娘に百%、妻にも百%の愛情を」が実行できる「父」であり、「夫」をめざしていきたい。
 今では、走ったり歌ったり自分の名前を言ったりできるようになった娘。と同時に、私たち夫婦も子育てのコツがようやく見えてきた。これからも、子育てを通して、娘に負けないように私自身も成長していけるように努力し続けようと思う。



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草原
やまぐち子育て連盟 http://yamaguchi-kosodate.net
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