 第3回やまぐち絵本楽会2010 |
 『大きな大きな船』 |
 『はせがわくんきらいや』 |
『はせがわくんきらいや』で、森永ヒ素ミルク中毒事件(自身もヒ素の入った粉ミルクを飲んだ)を扱いながら、日本人の生活や心理を大胆に切り取り、斬新な絵本作法で鮮烈なデビューを飾った長谷川集平さん。
その後も、常に絵本の可能性に挑戦し続け、話題作を次々と発表され、また、ミュージシャンとしてもご活躍です。
長谷川さんの久々の、待望の山口での講演会です。
演題の『大きな大きな船』は2009年に出版された絵本のタイトルでもあります。訳あって母親のいない生活を送る父親と息子。仕事人間で家庭を顧みなかった父親は、家事もおぼつかず、息子との会話もギクシャクしています。お互いに距離を感じながら、父親は「大きな大きな船」になぞらえた「時代」の話をし、それを聞くことで、息子も少しずつ自分の思いを語り始めます。「ぼくらはみんな、大きな大きな船に乗っているんだ…」と語る父親。2人の乗った船はどこへ向かうのでしょうか?
長谷川さん初の試みである、赤、青、黄3色の水彩絵の具だけで描かれた絵が、作品全体に明るい光と爽やかな風を感じさせます。
日 時:2010年9月19日(日)14:00〜15:30
(開場 13:30)
場 所:クリエイティブ・スペース赤れんが 1Fホール
講 師:長谷川集平(絵本作家)
対 象:おとな
定 員:70人(要申込、申込順)
定員に達していなければ当日参加可
申込先:TEL 083-922-0131 山口 TEL 083-924-8745 山本
参加費:500円
託 児:なし
★長谷川さんプロフィール☆
1955年兵庫県姫路市生まれ。武蔵野美術大学中退。
1976年『はせがわくんきらいや』でデビュー、一躍注目を浴びる。続く『とんぼとりの日々』(1977年 ブッキング)と並んで、独自の画法・言葉遣い、鋭い人間への問いかけで絵本の転機をもたらす。『絵本づくりトレーニング』(1989年 筑摩書房)は、その絵本論であり実作作法案内でもある。
『はせがわくんきらいや』で1976年第3回創作えほん新人賞、『プレゼント』(村上康成・絵 ブックッローン出版)で88年ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、『見えない絵本』(大田大八・挿絵 理論社)で1990年第20回赤い鳥文学賞、『石とダイヤモンド』(講談社)『鉛筆デッサン小池さん』(永島慎二・挿絵 筑摩書房)で1992年第14回路傍の石文学賞、『ホームランを打ったことのない君に』(理論社)で2007年第12回日本絵本賞受賞。
絵本、小説、評論、翻訳、作詞作曲、演奏など多様な表現を試みる。
1991年から長崎市に住む。
現在、京都造形芸術大学客員教授。
この事業は「子どもゆめ基金」の助成で行います。