『あなたはどう思いますか』
萩市立萩東中学校 3年 花木 阿玖里
「あなたはどう思いますか。」この単純な問いの答えに詰まる人がどれほどいるでしょうか。
「日本人は自分の意見をはっきりと言わない。」これは以前から言われてきたことです。私も、身の回りで意見をはっきりと言う人は少ないと感じます。私がそう感じたのは、生徒総会などの学校の話し合いの場です。もちろん発言をする人が全くいないという訳ではありません。しかし多くの人は発言をしていないと思います。では発言をしない人には意見がないのでしょうか。私はそうではないと思います。なぜなら議題について直接たずねてみると、意見をしっかりもっている人が多いからです。意見をもっているのに話し合いとなると、その意見をはっきり言えないのはなぜでしょうか。
私は、自分の意見をはっきり言えない理由は複数あると思います。まずは、周りの目を気にしてしまうということです。自分の意見が少数派であれば、意見を言わない人は多いと思います。周りから、「まとまりそうな話し合いに水を差す意見だ。」とか、「なんなんだこの人は。」と思われないためです。他には、今まで自分で考え、意見を言う機会が少なかったということにあると思います。確かに、学校では自分で考えて行動するより、先生の指示に従って動く経験のほうが多いように感じます。そんな学校生活を送ったために自分の意見を主張することに慣れていないという人は多いのではないでしょうか。
これまで自分の意見を言えない理由を二つ挙げましたが、その二つには「同調圧力」が関わっていると私は思います。「同調圧力」とは、「個人が他人と意見を合わせるように誘導させられること。」です。そう、まさに一つ目の理由と重なっています。では、二つ目の理由とどう関わっているのでしょうか。私は日本で同調圧力が生まれやすい原因が二つ目の理由の中にあると思います。日本の子どもは「他の人と合わせること」や「指示を素直に聞くこと」がよいと学校で教えられます。つまり、意見を言うことではなく、同調することがよいと教えられるのです。私は、「同調圧力」が完全に悪いものだとは思いません。周りと合わせ、争いを起こさないことでよいことも、もちろんあるからです。しかし、世の中がグローバル化し、様々な人と関わる今の時代、意見をはっきり言わず、相手に合わせることは本当によいことだと言えるでしょうか。私はそう思いません。交渉や話し合いの場で相手に合わせていれば、圧倒的不利な状況になることもあると思うからです。
ではどうすれば、自分の意見を言える人が増えるでしょうか。私は、日本で「同調圧力」が生まれやすい原因は、学校で同調することがよいと教えられることにあると述べました。だから同調することよりも、意見を言うことの方が大切だと、学校で教えることが「同調圧力」を生まれにくくし、みんなが意見を言える世の中を作ることに繋がると思います。
また私は、意見を言うのが苦手という人に聞きたいことがあります。「意見を言われることも苦手ではないか。」ということです。意見を言えば周りから悪く思われるかもしれないというのは、裏を返せば意見を言う人のことを、自分が悪く思っているということではないでしょうか。自分の意見に対して意見を言われると、自分自身を否定されていると感じる人は案外多いと思います。しかし、反対意見を言われることは、自分のことを否定されているのではなく、自分の意見についてしっかり考えてもらえていると捉えるべきです。そのように捉え、お互いにたくさん意見を出すことで、活発な議論が行われるようになると思います。
「同調圧力は結局残る。」「日本人が意見をはっきり言えるようにはならない。」そう言う人もいるかもしれませんが、そう言っている間は変わりません。皆が「意見を述べること」に対しての考え方を変え、活発に議論をしたり、同調することをよしとしている教育を変えたりできれば、発言しやすい世の中になり、意見をはっきりと言える人は増えるのではないでしょうか。この意見「あなたはどう思いますか。」